葉とらずふじの研究

一週間ほど前に案内状の発送依頼をしましたが、手違いで遅延しているようです。昨日すべて発送したとの事なのでそろそろお手元に届く頃かと思います。

運送会社の料金改正に伴い、11月1日から送料が値上がりします。
お客様にご負担頂くのは大変心苦しいのですが、どうかご了承下さいますようお願い致します。

価格は以下の通りです。

全国運送料まっぷ

4段まで重ねられるようになりました。
1段詰め5キロ入りを4箱、
もしくは2段詰め10キロ入りを2箱、
もしくは3段詰め15キロ入り+5キロ入りを1箱ずつ、
同じ住所にまとめて送ることができます。まとめると少し送料がお得になります。

【よくあるご質問】
Q.サンふじとふじはどこが違うの?

A.袋をかけないで育てたのがサンふじです。秋田ではふじに袋をかけずに栽培しています。
鮮やかなピンク系の赤ではありませんが、太陽の光をいっぱいに浴びているのでおいしいりんごに育ちます。

Q.葉とらずふじってなに?

A.通常、ふじは収穫前に一つ一つりんごのまわりの葉っぱを取り、りんごをくるっと回して日陰になっている面にも太陽を当てて赤く色を付ける「摘葉」、「玉まわし」という作業をしています。
葉摘みをするとりんごが赤くなりますが、糖度が上がるわけではないようです。
葉とらずふじは葉っぱを取る手間を省いているので、赤かったり色があまり付いていなかったり。

3ハト

これは昨年葉とらずふじの研究をした時の画像ですが、このようにまだらに着色しています。

価格は通常の贈答用のふじよりもお買い求めやすく、他のふじよりも樹上に長く実らせています。
とっても美味しいのでオススメです(*´▽`*)

昨年りんご800個の糖度や硬度、酸度などを調べました。

平成28年度葉とらずふじ研究まとめ

↑なるほどわからん、という方のために、以下に詳しくまとめました。

長いですが1年がかりで頑張って調査したので読んで頂けたら幸いです。

調査を行ったのは自園地の傾斜地にある50年生ふじ4樹です。

①から④の4本の木を調査しました。

葉っぱとる、とらないを南北で区分けし、1樹につき200果、合計800果にまんべんなく番号札をつけました。(実際はもっとりんごが実っています)

摘葉は10/17に行い、果実品質を比較調査しました。摘葉以外は通常の管理を行い、7月31日に支柱いれ、9月20日にシルバーシートを敷設しました。

 

~調べたこと~

「果実の外観に関する調査」として、ラベル果の着色指数・着色割合を調査しました。

着色指数は写真の通り目測で4段階、着色割合(色が付いている面積の%)は目視で調査しました。
ちなみに着色指数と着色割合のチェックは秋田県果樹試験場品種開発部の上田部長にお願いしました。

また、「果実品質に関する調査」として、「非破壊糖度計おいし果」を使ってりんごの「日が当たった面」・「陰になった面」の2か所の糖度を測定しました。

なんと!りんごの汁を絞らなくても糖度が測れるという便利なアイテムです。

…でも…

頭がいい人が作ったソフトが難解すぎて意味が分からない。

実測糖度と非破壊糖度の誤差を極限まで抑える設定がとてつもなく大変だった…

りんごをあたためたり雪の中に埋もれさせたりりんごのお尻から温度計をさしながら状況を変えて何度も糖度をはかり、設定するのに1カ月も掛かりました。

また、見た目の色の判断と非破壊糖度計での糖度測定のほかに、番号札を付けたりんごの中から両区8果ずつ4樹分、計64果を実際に割って調査しました。

果重、縦ケイ横ケイ、地色、着色、硬度、糖度、リンゴ酸、デンプン、みつ入りを定法により調査しました。

さらに試食によるアンケート調査を行いました。

摘葉あり区、摘葉なし区それぞれ1果を縦半分に切って一口大にカットし、皮をむいてどちらがおいしかったか食べてもらいました。どっちが葉とらずふじなのかはノーヒントです。

 

果実の外観、品質には日当たりが影響するので、樹No.4の樹冠内の日当たりも調査しました。

上田部長「ちゃちゃっと立体で80cmくらいのグリッドに分けて、ここのマスの中の果実の糖度はなんぼだとかできるでしょう?」

私「ええっ3DCGなんてやったことないから無理ですよ!」

↑※イメージ図

どうやって複雑な木&りんごの位置を絵にするか話し合った結果、巨大なシートを作成して座標を特定することになりました。これでXY軸とZ軸の座標を割り出しました。ドローンやら測量の機械があればこんなに原始的な事をしなくてもよかったのかもしれない…

(シートと釣り竿の制作期間2週間)

ない知恵を絞って専用の用紙を作り樹形を起こしている図。

よーしあとはフリーの3DCGソフトをインストールして木の形に…

初めての3DCG(これは木です)Blenderというソフトを使用しました。
おっいいぞーと思ったらなぜか途中から二股に枝分かれしはじめて…

2Dと3Dでは使い勝手が違いすぎて画面スクロールすら分からず撃沈。まさに絵の如く。

ならば2Dでそれっぽいものを!と悪あがきしてみた結果、見辛くて再び撃沈。諦めました。
因みにこれはAdobeのillustratorというソフトです。絵・グラフ・表はillustratorで作っています。

日当たり調査の続きです。

光があたると色が薄くなる特殊なフィルム「オプトリーフ」をプラスチック容器に入れ、ラベル果のつる元と樹冠の外に設置しました。
14日後にオプトリーフを回収し、分光光度計でどれだけ色が薄くなったのかを測定し、樹冠外の日当たりを100%としたときのラベル果の相対日射量を求めました。


さらに摘葉前と摘葉後に、果そう葉、果台枝葉の着葉数を数え、摘葉にかかる時間を調査しました。

~調査結果~

 


これは800果の中から8果ずつ選んで調査した果実の外観です。摘葉なし=葉とらずふじ。


4樹平均をみると赤枠で囲んだ着色面積以外に大きな差は見られませんでした。
色は悪いけれど味はほぼ差がない状態です。


今度は800果調べた結果です。

上のグラフが1から4段階に色分けした果実がなんぼぐらいあったのか、の図。

上のグラフが赤い面積が何%の果実がなんぼぐらいあったのか、の図。

色の濃さ、面積ともに摘葉あり区(葉っぱをとったりんご)が上回っていました。(あまり差が見られない木もありましたが)


これは糖度分布を表したグラフです。

樹No.1と2はミドリ色で表した摘葉なし区(葉とらず)の方が糖度が高く、樹No.3と4では両区に差がみられず、
4樹全体の平均では、大きな差はみられませんでした。


59名に食味アンケート調査を行いました。
おいしいのはどっち?という質問に、摘葉なし区(葉とらず)と答えた方が47%と最も多い結果となりました。


葉っぱを取る前の平均着葉数は10.9枚で、葉っぱを取った後は1.6枚、85.3%の摘葉率でした。

9.3枚を摘葉する時間は、1果あたり34.1秒で、1樹あたりでは約8時間でした。

1日に木1本ペース……収穫に間に合わないですね。

因みに部長、私の他に作業経験が浅い後輩研修生2人、計4人の作業時間の平均を計算しました。

脚立の足を引っ張って斜面に掛けたり傾斜に合わせて脚立の足を伸び縮みさせたりする時間も含まれています。傾斜で作業経験がある部長や私はともかく後輩は葉摘みも傾斜地の作業も経験がほぼなかったので脚立の掛け方、バランスのとり方、こまめな脚立移動など平地とは感覚が違うために手こずったようです。後で、傾斜が怖いと散々言われました。

園主「山は危なくって命がかかる。おれも3回死んでる。人を雇うのも危険でなぁ」

不注意は怪我のもと…。

平らな園地のプロ農家さんならりんご1個につき5秒以内でバババババーっと葉摘みしていると思います。

~考察~


木が生えている位置と糖度の関係を改めて見てみる。

赤い数字の方が高い数値を表しています。ミドリが濃い方が葉とらずゾーンです。

着色指数が高い、つまり色がいいのは東西南北にかかわらずぜーんぶ葉摘みをしたりんごでした。
しかし糖度が高かったのは摘葉の有無にかかわらず、ぜーんぶ日当たりが良い南側のりんごでした!!!

あれ、でも待って。糖度をよく見るとNO.4の木は葉とらずが北にあるけど南と糖度があまり変わらないよね?これってやっぱり葉とらずの方がおいしいんじゃない?

と思ったのですが、たまたま4本のうちの1本、この木を日当たり調査していたんですよね。


日当たりは、北側も南側も大きな差がありませんでした。

南向きの方が日当たりがいい、と言いましたが、No.4の木は北側が立ち枝になっていて、南側と同じくらい日当たりがよかったんじゃないかという結論に。


日当たりを詳しくみてみます。

調査した果実は、水色ラインより上の糖度14度以上に多く分布しており、日当たりがよくなるほど糖度が高くなる傾向にありました。
ただし日当たりが良くなるほど糖度が上がり続けるわけではなく、相対日射量が40%を超えるとほぼ横ばいになっていました。

そりゃそうか。糖度50度のりんごがあったら食べてみたいですね!


樹No.4の樹冠内の相対日射量は、主幹からのいずれの距離においても、キミドリで表した21~40%の割合が多くなっていましたが、主幹からの距離が0~80cmではミドリで表した0~20%が6割強を占め、
他の地点と比べて極端に日当たりが悪くなっていました。

幹から近すぎると日当たりが悪いんですね。長時間日差しが建物に遮られている、みたいな状態なんでしょうか。

3DCGを諦めた結果がこの図です!

5枚横に並んでいますが、5段階の高さごとに分けています。
右下の棒グラフはりんごの数の割合を表しています。

上は赤くなるほど日当たりがいいことを表しています。
下は赤くなるほど糖度が高いことを表しています。

糖度はほぼ14度。長時間日が当たる木の外側と南向きで、糖度の高い果実がたくさんありました。

以上の結果から、
着色は、摘葉によって向上しましたが、糖度は、摘葉の有無で大きな差はなく、生育期の日当たりが糖度を左右していることがわかりました。

 

果実調査では、糖度や酸度にあまり差がない果実を食べ比べたとき「葉とらずふじ」の果実の方が味が一つ増えたように感じるものが多数ありました。

もしかしてこの味がひとつ増えたように感じたのは「風味」かもしれません。

リンゴを割って調査していた時、研究員の方と「あれー!糖度が同じなのに味が全然違う!」と大騒ぎしていたんですが、数時間後に食べた時には差がなくなっていました。不思議。

揮発性の何か?ガス?香り???

モモやナシでも、香りがある品種は糖度のわりに美味しく感じるものが多いので香りかなぁ~??
モモやナシは、鼻をつまんで食べるとそれなりの糖度の味になりました。

今回は風味に関する詳しい調査を行っていませんでした…というより当時まだ風味については試験場でも測定することはできませんでした。他県でリンゴの風味を数値化する研究をはじめたとかなんとか。

風味、人間の味覚なども含めておいしさへの研究課題はまだまだありますがこれから勉強していきたいと思います。

思い入れが強い葉とらずふじ、是非一度お試し下さい(*´▽`*)

このプロジェクトにあたってご指導頂いた上田部長を始め試験場職員の皆様、関係機関の皆様には本当に本当にお世話になりました。頭の悪い私一人では何もできませんでしたが、お陰様でなんとかまとめることができました。ありがとうございました!

最後に…私は諦めなかった。

ボツになってたけど完成させましたよ、3DCG。

 

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葉とらずふじの研究」への4件のフィードバック

  1. よほど機械がお好きなんですね〜(*^▽^*)
    最新の農機具の性能と値段にビックリです(°▽°)
    肥料は私も勉強不足なので私にも教えて下さい!

  2. やっぱり、お父さんでしたか💦
    お互いが行くことを知ってれば、探し合ってましたね(^^;;

    最新の農機具を見るのが好きなので、邪魔されなければ朝から晩まで見ていたいです(^^;)

    可能であれば、日曜も見に行く予定です(^^;)

    少しずつ、生育を見ながらの肥料や土、葉面散布の勉強しようと思ってます。
    是非、ご指導願います!

  3. 講演なんて滅相もないっ
    まだまだかけだしヒヨッコなので勉強も経験も足りてないですよ(゚o゚;;

    種苗交換会、父母とスタッフみんな6人で行きました。マグロさんもいると知ってたら探していたのに残念(゚o゚;;

    今年のふじは出来が良いですね!お互い頑張りましょう(*^▽^*)

  4. 三代目、チョー勉強してますね!
    思わず完読しちゃいました。
    俺にも葉取らずについて講演して下さい👂✋

    そう言えば今日、種苗交換会の会場で、お父さんらしき人を苗木市の所で見ましたよ。
    似てる人だったのかな?
    俺はトラクターやコンバインマジマジと見てて、売りつけられそうになりました💦
    収穫まで残り2週間ほどですね!

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